第1章 グランドデザインとは​​​​​​​
Background
The first chapter discusses definition and purpose of grand designs in general. Shimizu focuses on the port district and the hinterland along the whole harbor.
 第1章では、「グランドデザイン」とはどのようなものなのかを定義し、先進事例を紹介・解説します。
1.1 定義と事例 Purpose
 総合計画や都市計画マスタープランのような一般的な行政計画に対し『グランドデザイン』とは何なのか、本グランドデザインでは以下のように定義しています。
①地域に外因(脅威、機会)が到来し、内因(弱み、強み)が変わる時機を捉えて描く、地域の将来像。
②当事者(行政、企業、市民)が想い(夢)を共有するために策定する。
③未来の夢とともに実行計画を描き、策定後、管理しながら運用する。
④描き方は自由。専門家を活用し、地域に適したスタイルを採用する。

 全国各地で既に様々なグランドデザインが策定されています。本グランドデザインでは、以下のような事例を参考として、一部には現地調査・ヒアリングを行いました。
◎都心臨海部・インナーハーバー整備構想(横浜市・大学コンソーシアム)
 横浜港及び周辺50年後のグランドデザイン。2009-10年度、市内5大学の共同研究成果を取り入れる形で策定。
◎柏の葉国際キャンパスタウン構想千葉県・柏市・千葉大学・東京大学)
 2005年開通のつくばエクスプレス柏の葉キャンパス駅周辺13㎢のグランドデザイン。2006年度に調査と素案、2007年度に策定、2008年度以降フォローアップ(実行と改訂)。キャンパスを構える大学が連名している点に特徴がある。公民連携組織アーバンデザインセンター(UDCK)が事務局を務めている。
◎柏セントラル・グランドデザイン(柏アーバンデザインセンター・柏市・柏商工会議所
 柏駅周辺半径500m(約100ha)の20年後のグランドデザイン。2016年9月柏駅前のデパート閉店を機に、柏市と柏商工会議所が柏アーバンデザインセンター(UDC2)を設立。2018年7月にグランドデザインを公表。行政計画や商店街まちづくりが既にある中、公開討論会やイベントを通して情報公開・意見交換を実施した。「商業都市から融合都市への転換」(ビジョン)を掲げ、数値目標とリーディングプロジェクトを定めている。
1.2 グランドデザインの対象 Area
 本グランドデザインが対象とする範囲は、清水港及び周辺、すなわち港湾(水域)、臨港地区(陸域)、後背市街地としています。
第1章  第2章  第3章
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